VST SDK 3.6.9が公開されました

VST SDK 3.6.9が公開されました

新しくVST SDK 3.6.9が公開されました。下記からダウンロードできます。

 →Steinberg – 3rd Party Developer

VST SDK 3.6.8からの変更点は下記のようです。

  • CMAKEファイルを再編
  • VST GUI4.6
    • VST GUI 4.6にアップグレード
    • ノートエクスプレッションをサポートした新しいUI KeyboardViewを追加
  • インターフェイスの変更
    • インクルードファイルの定義を一部変更
    • vsttypes.hからスピーカーアレンジメントの定義をvstspeaker.hに分離
    • idの初期化されていないパラメーター用に定数 kNoParamIdを定義
  • サンプルの更新
    • Validatorを修正
    • NoteExpressionSynthが新しいKeyboardViewを使用するように変更
    • HelloWorld VSTプラグインを追加
  • プラグインラッパーの変更
    • AudioUnit Wrapperを修正し、新しいXCodeに対応
    • Audio Unit v3 (AUv3) wrapperを修正、CMAKEを追加
    • AAX wrapperにバイパス処理とVUパラメータのサポートを追加
    • interappaudioを改善・修正し、CMAKEを追加
  • ヘルパークラスの追加
    • リングバッファークラス(ringbuffer.h)を追加

過去のSDKについては下記にリンクを記載しております。

  VST SDKの各バージョンのリンク

ご指摘やご質問は各コンテンツページや掲示板Twitterでいただけばとおもいます。

掲示板
■Twitterアカウント:@vstcpp   URL:https://twitter.com/vstcpp

エフェクターの簡単な実装例 – グラフィックイコライザー

グラフィックイコライザーの実装例

グラフィックイコライザーとは入力音声の各周波の数帯域を増減させ、音を整えるエフェクターです。

パラメーターとしては各周波数ごとの増幅量(ゲイン)が利用されます。
各周波数の割り当ては100Hzあたりから、オクターブごとに割り当ててるものが多いです。

パラメーター 意味 だいたいの範囲
100Hzゲイン 100hz付近の増幅量 -15~15dB
200Hzゲイン 200hz付近の増幅量 -15~15dB
400Hzゲイン 400hz付近の増幅量 -15~15dB
800Hzゲイン 800hz付近の増幅量 -15~15dB
1,600Hzゲイン 1,600hz付近の増幅量 -15~15dB
3,200Hzゲイン 3,200hz付近の増幅量 -15~15dB
6,400Hzゲイン 6,400hz付近の増幅量 -15~15dB
12,800Hzゲイン 12,800hz付近の増幅量 -15~15dB

実装は入力信号をピーキングフィルタを順番に通すだけです。

フィルタは「簡単なデジタルフィルタのサンプルコード」を使用しています。
あくまで実装例ですのでいい音質のものがほしい場合は、ご自身で試行錯誤いただくようお願いします。

【実装イメージ】

上記はあくまで実装例です。

質問はコメント欄や掲示板Twitterでいただけばとおもいます。
他のエフェクター実装例はこちらにもあります。 → エフェクターの簡単な実装例

掲示板
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VST3プラグイン開発(補足) – サンプルソースファイルのビルド方法

サンプルソースファイルのビルド方法

ここでは本Webサイトの各ページからダウンロードできるVST3.6のサンプルソースファイルをビルドし、.vst3ファイル(VST3プラグイン)を作成する方法について簡単に説明いたします。
Visual Studio 2017の画面となっていますが、Visual Studio 2019でも大きな違いはありませんので同じ手順で問題ないと思います。

なお、事前に下記を参考に開発環境の準備、基本ライブラリの作成、および、VST3プロジェクトの作成が完了してください。

ファイルのダウンロードと解凍

まず、各ページからサンプルのソースファイルをダウンロードしてください。
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複数コントロールの同期

VST GUIにおける複数コントロールの同期

VST GUIを作成するうえで、下記のように「つまみ(ノブ)を操作すると同時にスライダーも動く」のように複数のコントロールで連携や同期をとりたい場合があります。今回はその実装方法を説明いたします。

なお、VST GUIの基本的な作成方法として下記をご理解いただいている前提で進めさせていただきます。

また、こちらのTipsで紹介している各コントロールを作成する関数も使用しています。

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テキストエディットの実装

VST GUIにおけるテキストエディットコントロールの実装

VST GUIにおいてテキストエディットコントロールを実装する方法を説明いたします。
なお、VST GUIの基本的な作成方法として下記をご理解いただいている前提で進めさせていただきます。

テキストエディットコントロールは下記のようなコントロールです。クリックしてフォーカスした状態で文字を入力することができます。

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チェックボックスの実装

VST GUIにおけるチェックボックスコントロールの実装

VST GUIにおいてチェックボックスコントロールを実装する方法を説明いたします。
なお、VST GUIの基本的な作成方法として下記をご理解いただいている前提で進めさせていただきます。

チェックボックスコントロールは下記のようなコントロールです。クリックするごとにチェック・未チェックを切り替えることができます。
チェックボックスが未チェックの時に値は0.0となり、チェックされている時に1.0になります。また、GUI上からは操作できませんが0.5の時にハーフチェックという状態にもなります。

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