VST GUIにおけるアニメーションつまみ(ノブ)コントロールの実装
VST GUIにおいてアニメーションつまみ(ノブ)コントロールを実装する方法を説明いたします。
なお、VST GUIの基本的な作成方法として下記をご理解いただいている前提で進めさせていただきます。
アニメーションつまみ(ノブ)コントロールは下記のようなコントロールで、ドラッグしながら周りを回すようにして操作します。
ハンドルが左下にある時の値が0.0で真上が0.5、右下にある時に1.0になります。
まず、アニメーションつまみ(ノブ)コントロールを作成するにあたって、アニメーションつまみ(ノブ)コントロール用の画像を用意します。
ここでは下記の画像を使用しています。利用できる画像形式はPNGのみとなりますのでご注意ください。
【アニメーションつまみ(ノブ)コントロール 画像】
(クリックですべて表示します)
次に上記の画像をプロジェクトで利用できるように、リソースファイルに追記します。
【resource.rc】
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animeknob.png PNG ".\\img\\animeknob.png" |
リソースファイルの記載方法はこちらもご参照ください。 → 最小構成のVST GUI
そして、VST GUIクラスのopen()関数内で、アニメーションつまみ(ノブ)コントロールを生成する処理を追記いたします。
コントロールを生成する処理は関数にしております。関数作成自体は必須ではありませんが、複数のコントロールを作る場合などに便利なためです。
【guieditor.cpp】
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CControl* MyVSTGUIEditor::createAnimeKnob(ParamID tag, int x, int y) { // アニメノブコントロールを作成する // まずは画像ファイルを読み込む CBitmap *bmp = new CBitmap("animeknob.png"); // コントロールのサイズを画像ファイルから取得する // 今回の画像は32個の状態が1つの画像になっているので、高さは32で割る CRect size(0, 0, bmp->getWidth(), bmp->getHeight() / 32); size.offset(x, y); // 位置を設定(frameの左上が0,0となる) // アニメノブコントロールの作成 CAnimKnob* control = new CAnimKnob(size, this, tag, bmp); // パラメータの現在の値を取得し、コントロールに反映 ParamValue value = controller->getParamNormalized(tag); control->setValueNormalized(value); // コントロールをフレームに登録 frame->addView(control); // 読み込んだ画像は忘れず解放 bmp->forget(); // 作成したコントロールのポインタを返す return control; } |
createAnimeKnob()関数の引数には、パラメータータグ(ID)と座標(x、y)を指定するようにしています。
コントロールはパラメーターと関連付けるので、パラメータータグ(ID)が必要になります。また、フレーム(描画領域)上の位置を指定するための座標(x、y)が必要になります。
createAnimeKnob()関数ではまず、アニメーションつまみ(ノブ)コントロールの画像を読み込んでいます。
次に画像からアニメーションつまみ(ノブ)コントロールのサイズを取得し、CRect sizeにそのサイズを設定します。
アニメーションつまみ(ノブ)コントロール用の画像は複数の状態を1つの画像としていますので、アニメーションの状態数に応じて高さを割る必要があります。
今回は32個の状態をもっているので高さは32で割っています。
また、このsizeはコントロールサイズだけでなくフレーム上の配置位置も兼ねています。CRectのoffset()関数を使用して位置を設定します。
各画像と配置位置・サイズが決まれば、CAnimKnobクラスを作成します。
CAnimKnobクラスのコンストラクタには、「サイズ」「VST GUIクラスのポインタ」「パラメータータグ(ID)」「画像」の順に指定します。
これでアニメーションつまみ(ノブ)が作成できるので、パラメータの現在の値をアニメーションつまみ(ノブ)コントロールに反映し、フレームに登録すれば表示させることができます。
アニメーションつまみ(ノブ)コントロール用の画像はCAnimKnob側に設定され不要となるため解放しておきます。
作成したコントロール生成処理関数がコントロールのポインタを返すのは、後で他のコントロールと同期させたりするのに利用するためです。
また、VST GUIクラスのopen()関数内での呼び出しは下記のようにします。
【guieditor.cpp】
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bool PLUGIN_API MyVSTGUIEditor::open(void* parent, const PlatformType& platformType) { // GUIウィンドウが開かれたときに、UIを作成する ~~ 中略 ~~ // --------------------------------------------- // ここから各コントロールの作成 createAnimeKnob(1, 10, 10); ~~ 中略 ~~ // GUIウィンドウのオープンに成功した場合はtrueを返す return true; } |
以上でアニメーションつまみ(ノブ)コントロールを追加することができます。
ここでご紹介したアニメーションつまみ(ノブ)コントロール用の画像はご自由にご利用いただいてかまいません。
上記以外にもVST3.6についての情報があります。下記をご参照ください。
また、質問やご指摘はコメント欄や掲示板、Twitterでいただけばとおもいます。
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